豊橋鉄道100年史 1924-2024
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98 ●市内線の地域連携活用待ちに待ったほっトラムの発車式ええじゃないか豊橋・市電の日2016イベント都市交通からまちづくりまでが和む、人にやさしい車両にしたいという願いに、路面電車を表す「トラム」を組み合わせた。多くの人が待ちわびた営業運転開始は、平成20年12月19日に決まった。発車式後の午前11時15分、「ほっトラム」は多くの市民に見守られ拍手を浴びて発車した。市内線における新造車両導入は開業以来83年ぶりであり、翌年には実用性能などが評価され、鉄道友の会から「ローレル賞」を受賞した。近年、市内線の地域連携活用が活性化した背景には、豊橋市の交通施策がある。豊橋市は平成16年3月、「豊橋市都市交通ビジョン」を策定し、目指すべき将来像を「人・地域・環境をつなぐ、みんなにやさしい交通のまち・とよはし」とした。また、平成18年3月には、「豊橋市都市交通ビジョン」に基づいた具体的な交通施策計画として、「豊橋市都市交通マスタープラン」が策定された。これにより、環境負荷の小さい交通基盤である市内線の整備は一段と加速した。さらに、豊橋市は平成22年11月、豊橋の認知度向上とイメージアップを図るためのシティプロモーション活動として「ええじゃないか豊橋推進計画」を策定した。この計画推進の核になるコンテンツとして、手筒花火、のんほいパーク、とよはし食文化、路面電車の四つが定められた。市内線の必要性を認識していただけたことは、当社にとって大きなチャンスと捉え、豊橋市発展の施策に歩調を合わせ、市内線を積極的に活用する方針を固めた。これを契機として、平成23年4月10日「ええじゃないか豊橋・市電の日」など市内線関連のイベントは、市民団体(とよはし市電を愛する会)・行政・事業者の3者共同で

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