97製作中のLRV赤岩口へ到着したT1001号 ●車両仕様の決定に計画していた停留場4カ所(札木、市役所前、豊橋公園前、運動公園前)のバリアフリー化は、平成19年度に実施した。停留場の床幅を150㎝から200㎝に拡幅するとともに、スロープや手すりを設置して、車いすでも利用できるように改良した。LRVはアルナ車両㈱が納車実績をもつ、鹿児島、長崎などの全面低床電車をモデルに、当社の線形に適合したオリジナル車両を目指した。しかし、市内線の線路幅が国産全面低床電車では先例のない1,067㎜(狭軌)であることや、数カ所きついカーブがあることなどが大きな課題となった。これらを解決するには、3連接2台車方式がベストとの結論に至る。この方式は振動・騒音の低減や、曲線の通過が容易といったメリットがあった。また、主電動機と車軸をつなぐ継ぎ手を台車枠の外側に配置することで、狭軌でも82㎝の通路幅が確保できた。車両のデザインにもこだわった。画家であり、とよはし市電を愛する会副会長(当時)であった伊奈彦定氏に依頼して、白を基調とした車体に、太平洋や三河湾の海を表す青と、奥三河の山々を象徴する緑のラインを採用。このカラーで全面低床電車の特徴である「人と環境へのやさしさ」を表現した。また、車内にはぬくもりを感じさせる木目調の色彩を採用した。こうした車両仕様が平成20年3月に固まり、同年6月から製造が始まった。そして晴れて同年10月27日早朝、朝日に輝く近代的な車体が赤岩口車庫に降ろされ、これが当社のシンボルだという確信を得た。同年10月30日の安全祈願祭後、試運転を繰り返し、データの測定や機器類の調整、乗務員の習熟運転などを実施した。車両の愛称は、一般公募で「ほっトラム」に決まった。東三河一円を指す「穂の国」と、利用者が「ほっ」と心
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