豊橋鉄道100年史 1924-2024
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89 ●移転開業を機会に単線ホームで混雑する旧・新豊橋駅再開発が進む豊橋駅南地区と新豊橋駅(平成20年)新豊橋駅構内に設置した木の壁面積1,008㎡で、1階は新豊橋駅、2・3階は商業施設として活用することとした。電車の発着線は島式1面2線(4両対応)で計画し、昼間帯の車両運用を6編成から7編成に増強することも決めた。これによって電車の交互発着が可能になり、ホーム上で待つことなく乗車できるようにしたほか、ラッシュ時でも、乗降がスムーズになることが期待された。工事は着々と進められ、平成20年6月5日に新豊橋駅が開業した。新駅舎の基本コンセプトは「人に優しく、ぬくもりのある駅」とし、随所に工夫を凝らした駅となった。例えば、渥美半島の玄関となるホームには、この地域でなじみ深いミツバチやシギなどの絵を埋め込んだ。また、改札内の壁面には、愛知県木材青壮年団体の協力によって、豊橋の木「くすのき」を奥三河産の木材片でデザインした「木の壁」の飾り付けを施した。新豊橋駅の整備と同時に、渥美線全駅の駅名板を一新した。豊橋市内の駅では豊橋市の花であるつつじを、田原市内の駅では田原市の花である菜の花をあしらった。これは地域との連携をさらに深めていきたいという強い思いからである。また、新豊橋駅とJR豊橋駅南口を結ぶ連絡通路が建設されたため、名鉄線やJR線への乗り換えが便利になった。このほか、発着線が島式1面2線となったメリットを生かすためにダイヤを改正し、8~22時台の新豊橋駅発車時刻を「00・15・30・45分」と分かりやすくした。加えて夜間の増発や、最終電車の繰り下げなどによって利用しやすさを高めた。新しい玄関駅の開業と同時に、鉄道・バスの制服を一斉変更した。これは新会社となった豊鉄バスも含めて、新たな気持ちで出発しようと考えたためである。新制服は信頼感や安心感がイメージでき、従業員がプライドを

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