豊橋鉄道100年史 1924-2024
87/202

87伊良湖フラワーパークのシンボルマスコットだった「フラワーちゃん」の造形サインが建つ正面入口伊良湖フラワーパークの閉園このような状況において、名鉄グループは、グループ経営資源の選択と集中に基づいて、レジャー事業の整理に着手した。当社でも平成12年度からの中期計画(再編計画)の中で、グループ統廃合の一つに位置付け、同年売却した。伊良湖フラワーパークは、営業成績の落ち込みが続いた。来園者数は、平成5年度の33万2,000人をピークに毎年下降線をたどり、平成15年度には14万1,000人にまで落ち込んでいた。また、平成6年度以降は営業収支が赤字になったため、当社が土地を売却することで経営を維持しているのが実情であった。一方で名鉄グループの渥美地区からの撤退や、近隣の観光施設開業などにより、入場者数のさらなる減少が予測された。各施設の老朽化対策や、平成16年の台風23号による被害修復などの修理コスト増加も経営圧迫要因になっていた。もはや赤字が恒常化しており、黒字に転ずる見通しが立たなくなっていた。加えて、減損会計の導入により、収支改善が見込めない不採算事業からの早期撤退が、喫緊の課題となりつつあった。このような複合的な理由により、平成17年3月末で閉園し、昭和36年から続いてきた44年の歴史に幕を閉じた。

元のページ  ../index.html#87

このブックを見る