豊橋鉄道100年史 1924-2024
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86 ●グループ会社の整理昭和55年改装当時の田原ホテル浜名湖方面の観光開発の一環として整備した舘山寺マリーナき、瓜郷工場のあり方を検討した。当社はバスの減車を計画していたため、瓜郷工場はトラックの整備を拡大する必要があった。また、新会計基準により、瓜郷工場が将来的に損失を計上する可能性が高まっていた。そこで豊川市本野ヶ原2丁目にある名鉄自動車整備㈱の豊川工場買収と、同工場への移転を検討した。瓜郷工場を存続させた場合と、豊川工場に移転する場合の事業性を比較するとともに、豊川工場から引き継げる顧客や技術などを総合的に検討した結果、豊川工場への移転を決断した。平成16年7月1日に稼働を開始するとともに、瓜郷工場は閉鎖した。移転後はトラック整備の受注を視野に入れて、24時間営業、土日での集中整備体制としたほか、営業面や技術面で不足していた人材を、名鉄自動車整備㈱の協力により補強し、運営体制を整えた。また、名鉄自動車整備㈱との部品共同仕入などを推進し、ローコスト化を図った。田原温泉㈱は、トヨタ自動車関連の宿泊利用者が増えた。特に田原工場増設工事が行われた平成元~2年には、工事関係者の宿舎となったため盛況を極めた。平成3年には大宴会場も改装した。しかし、その後の景気後退から料金設定を抑えざるを得ない状況が続き、赤字経営が続いていた。累積債務が膨らむなかで経営改善に取り組んだが、抜本的な改善は困難と判断し、平成9年1月に解散した。当社が名古屋鉄道㈱から運営を受託してきた舘山寺マリーナは、バブル期の好景気によって需要が増したため、平成4年に名鉄グループの経営計画「ステップ21」に基づいて、建物・設備を全面改装した。ところがバブル経済崩壊後は、一転して保管艇が減少し続けた。また、浜名湖周辺の他施設と低価格競争を繰り広げざるを得なくなり、赤字が続くようになった。

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