豊橋鉄道100年史 1924-2024
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4 観光開発事業への邁進73貸切バス部門は変化する旅行ニーズに応え続けた開業当時の豊鉄ターミナルビルをPRする全面広告バス時代のニーズに即応した貸切バス豊鉄ターミナルビル・ホテルの開業貸切バスの収入は、バブル期の好景気を追い風にして前年比107~109%の伸びが、平成3年度まで毎年続いた。大口団体の受注や雪山シーズンのスキーバスも好調で、バスの高稼働による貸切担当運転士は不足したが、乗合部門と一体となって増収に努めた。豪華バスのニーズも高まり、これに即応して平成3年4月には、35人乗り豪華2階席車両「クイーンサロンS」を導入した。しかしその後、バブル崩壊による景気後退と平成7年に発生した阪神・淡路大震災後の旅行ムード停滞により、貸切バス収入は大きく減少した。旅行のニーズも変化した。いわゆる「安・近・短志向」が進み、これに対処するための企画商品を開発した。地域の文化歴史を掘り起こし伝える「穂の国文化散歩」、ふるさとの四季を再発見する「ふるさとツアー」、手軽に参加できる「バスハイキング」などである。また平成7年10月には、音響効果を高めたオーディオサルーン「ジョイフル」を、平成8年10月からは、ゲーム付シンセサイザーカラオケを搭載した「ザ・ハート」を導入して多様化する旅行ニーズにも対応した。昭和62(1987)年5月、長年の夢であった豊橋駅前のビル建設が始まった。当社としては過去に例のない大規模開発となったが、豊橋駅前のまちづくりや都市景観にも少なからず影響を与える事業であるため、豊橋の玄関口にふさわしい建物にする必要があった。そこで社内にビ

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