63駅前停留場起工式当日の豊橋駅前(平成9年10月16日)市内電車豊橋駅乗り入れ記念式た。センターポールは、夜になると照明ナトリウム灯(当時)が色鮮やかに輝き、豊橋の美しい都市景観を演出した。豊橋駅前では、豊橋東口駅前整備事業が進められることとなった。豊橋駅総合開発プロジェクトとして、東西自由連絡通路の整備、橋上駅舎整備、ステーションビルの新・増設の3事業が計画され、これに基づき平成5年3月から工事が始まった。計画では、イベント会場にもなる多目的な機能を有し、市のシンボルになる広場として、全国でも珍しい楕円形の人工地盤が建設されることになった。その1階部分となる地平部(約1万7,500㎡)に、市内線駅前停留場を150m移設するとともに、バスやタクシー、自家用車のりばが結節されることとなった。この工事は、建設省が路面電車を地方で復活させる目的で平成9年度に採択した「路面電車走行空間改築事業」が、全国で初めて適用された。軌道延伸事業としては、昭和57年に当社が井原-運動公園前間600mを延伸して以来、15年ぶりであった。工事が完成し、市内線が豊橋駅前まで乗り入れを開始したのは、平成10年2月19日である。これを記念して「市内電車豊橋駅乗り入れ記念式」を新・駅前停留場で執り行った。午前11時に豊橋市消防音楽隊の演奏に合わせて、記念電車3702号(レトロ電車)がヘッドマークを付けて入線。早川勝豊橋市長(当時)は「環境にやさしく“まちづくり”と連携した交通機関として、市のシンボルとして位置付けたい」と期待を語った。このように平成9年度は渥美線の昇圧完成とともに大きな設備投資となったが、当社の基幹事業である運輸事業再構築のための重要な年度となった。同日、市内線新・駅前停留場に隣接する豊橋駅前バスターミナルも使用を開始した。これまで駅前周辺に散在していたバス停が、島式のバス乗降エリアへ集約され、
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