617300形を順次整備して昇圧に備えた(高師)1500V昇圧を記念して三河田原駅でテープカットを行った(車両は7300形なのはな号)1500Vへの昇圧とも同じダイヤとした。車両も更新した。昭和61年7月1日、名古屋鉄道㈱からロマンスシート車両1900形2両を導入。利用者から強い要望のあった当線初の快適な冷房電車がいよいよ走り出した。同形式はその後も増備を続け、平成元年7月までに合計6編成12両を揃えた。また、平成2年3月には、1750形2両の冷房化工事も行い、これにより渥美線車両の半数以上が冷房車となった。このように、渥美線では大幅なダイヤ改正や、車両の冷房化などによって、輸送人員が着実に増加した。しかし、さらに利用しやすい路線にするには、運行本数の増強やスピードアップが可能な施設改善と車両性能の向上が不可欠となっていた。しかし、電圧600Vのままでは限界があった。また、電流増加に伴う電力ロスや、他社から導入する1500V車両を600V対応に改造する手間などを考え合わせると、電圧を1500Vに切り替えることが得策であった。さらには将来、名鉄線やJR線との相互直通も視野に入れた。このような背景から、渥美線では昇圧が重要な課題となったのである。平成3~6年にかけて、杉山・柳生橋・植田の変電所を増強したほか、曲線改良などの基盤整備を順次実施していった。しかし、1500V車両を28両揃えることに難航した。各鉄道会社の車両導入を検討した結果、名古屋鉄道㈱の7300形が最適との結論に至った。スピードアップに十分対応可能な上に、駅のホームを改造する必要がない車両サイズ、28両を一度に投入できることなどが決め手となったのである。交渉の結果、平成8~9年にかけて譲渡されることが決まった。こうして迎えた平成9年度、ATS(自動列車停止装置)な
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