●過疎バス対策協議会の設置51豊橋駅前4番のりばから発車する伊良湖本線冷房バス豊橋ステーションビル1階の豊橋駅前出札所(昭和56年)田口出張所山村過疎路線対策改正は、昭和55年4月16日にも実施した。伊良湖本線では観光路線としての充実を図り、昼間帯30分ヘッドを20分ヘッドに増強したほか、伊良湖岬経由で渥美フラワーセンターまで8本を直通運転させた。一方で、1日1往復していた豊橋-本郷直通運転廃止をはじめ、乗車効率の悪い時間帯の運行および区間を整理した。昭和58年7月には、乗合バス全路線にわたる一斉乗降調査を初めて実施して営業係数を把握した。調査の結果、51路線のうち営業係数100以下の黒字路線は細谷線など9路線で、路線数では18%、走行キロでは44%に過ぎないという乗合バスの厳しい実態が判明した。対策としては、利用状況に合ったダイヤの設定が不可欠であった。このような背景から、昭和58年10月に市内循環線、国府線などのダイヤを見直している。同年12月のダイヤ改正では、豊橋三ヶ日線、蒲郡線から撤退(休止)したほか、大池動物園線、大崎線などを見直した。このうち豊橋三ヶ日線は、営業係数が426となっていた。この時代に深刻化したのが、過疎路線対策である。過疎化に悩む全国の地方バスに対する国や県による補助は、昭和41年から始まった。愛知県の場合、当初は国の補助制度適用は行われず、県と市町村による独自の補助が実施されてきた。これは、三河山間部の過疎化がとりわけ著しかったため、山村振興の一環として昭和44年に愛知県、運輸省、地元市町村およびバス事業者(当社と名古屋鉄道㈱)で構成された「愛知県過疎バス対策協議会」が設けられた。昭和44年11月10日に開催された第1次対策協議会では、当社が三河山間部で営業する40の過疎路線のうち、
元のページ ../index.html#51