3 田口線の廃止とバス化47明日からの東田本線ワンマン運行開始に備える3108号(昭和46年8月27日)本長篠駅の田口線さようなら記念電車柳生橋支線では早くからワンマン化を進めたが、市内線全線の輸送人員も次第に減少傾向をたどったため、東田本線もワンマン化することを決定する。車両は名古屋市から中古のワンマンカー9両を購入して、昭和46年8月28日から東田本線でワンマン運行を開始した。また、既存車両のうちワンマン転用が容易な車両3両を改造し、これによって市内線はすべてワンマンカーとなった。田口線の沿線では人口流出により利用者が減少傾向にあり、木材などの貨物輸送量も激減して赤字が累積した。さらには安全確保のための施設修理に多額の費用が見込まれた。そこで昭和39(1964)年10月21日の取締役会で、田口線の廃止とバス運行への切り替えを議決。地元および労働組合に田口線のバス化を申し入れた。反対論が強く、なかなか実現には至らなかったが、地元との粘り強い折衝の結果、昭和43年2月に当社と地元側との間で以下の基本条件の合意に達した。① 本長篠と田口にバスターミナルを設置・整備する。② 田峰-滝上間の専用自動車道路の建設に着手し、すみやかに完成させる。③ バス運行については地元の意見を十分尊重する。④ 田口線の定期券所有者に限り、バス化後1年間はバス運賃を鉄道と同額にする。⑤ 線路用地は公共の用に供し、会社が必要としない構内用地などは、地元町村に無償提供する。⑥ 地元の観光開発に、積極的に協力する。この基本条件をもとに、陸運局が鉄道の保安状況と、道路の現況および整備計画、安全度などを考慮した上で、廃止時期を同年8月末日と提示し、地元側からの了解を
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