5 関連事業の拡大39昭和30年代の伊良湖岬タクシー事業の開始と分社ど増収に努めた。昭和37年はレジャーブームが強まった年である。当社のバス事業も一段と精彩を放つようになり、特に観光路線の拡大に力を注いだ。同年7月から豊川稲荷-伊良湖岬間直通運転を、昭和39年9月からは名古屋駅前-伊良湖岬間直通運転を、名古屋鉄道㈱と共同で運行開始するなど路線を拡充した。また奥三河へは、夏期間に豊橋-茶臼山間ノンストップ特急バスを、冬期間には、豊橋-津具スケート場間の特急バスを運行して、アクセスを充実させた。自動車時代に備えた事業の拡大を検討するなか、渥美半島先端部への交通需要と、渥美郡福江町周辺からの要望により、豊橋交通㈱の時代に同地区でタクシー営業に乗り出すことになった。トヨペット乗用車を2台購入し、営業を開始したのは昭和26(1951)年9月1日である。翌年には、三河田原駅前にもタクシー営業所を新設し、2台増車した。しかし、タクシー事業は、勤務形態、労働条件などが他部門と異なるため、統一的な経営施策が徹底できないという問題があった。そこで、この特殊性を考慮して分社することとなり、昭和31年5月17日、豊橋鉄道㈱は、資本金500万円(当社全額出資)で豊橋交通㈱を設立した。新会社は本社を当社内に置くとともに設備一切を譲り受け、車両10台で営業を開始した。
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