豊橋鉄道100年史 1924-2024
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34豊橋交通時代の観光バス広告(昭和27年)増資による事業拡大豊橋鉄道への改称このように、生活の安定や経済の復興とともに、輸送需要は次第に増大していった。それに応えて事業拡大に努めた結果、乗車人員も年々増加した。特にバス運輸部門は、路線網の拡張に伴って急速に利用者が増加した。昭和26年度、電車・バスの乗車人員は800万人を超え、運輸収入は1億2,000万円の大台に乗った。さらに昭和28年度、乗車人員は1,000万人を超え、運輸収入は2億円を突破した。これに伴い、社員数も昭和25年下期の274名(本社35、軌道83、自動車156)から、昭和28年下期には410名(本社39、軌道101、自動車270)と増加した。昭和25年4月の「資産再評価法」公布により、豊橋交通㈱もこれに基づいて2年ごとに3回の再評価を実施した結果、資本構成は一段と是正された。また、昭和26年7月には資本金の1,000万円増加を登記した。増加資本金は、主にバス車両購入資金に充てた。これは昭和26年限りで薪炭利用代燃車が不許可となり、石油燃料車への転換が必要となったためである。さらに昭和27年9月には、資本金を倍額の4,000万円に増資した。これにより増資金を有効活用し、特に全事業の拡張と管理体制の強化に力を注いだ。新規事業へも次々と進出していった。豊橋交通㈱は、貸切バスやタクシー営業を開始したほか、さらに経営多角化を進めるため、昭和29年1月6日に、豊橋交通㈱の全額出資で豊橋交通観光㈱を設立した。同社は、旅客の誘致斡旋と観光宣伝、広告業、自動車販売、同部品販売、機械工具類販売などを業務とした。昭和29年3月17日、豊橋交通㈱は記念すべき創立30周

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