豊橋鉄道100年史 1924-2024
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第1章1 創業前の豊橋と交通事情の推移20戦前の新停車場通(広小路通)神明停留場【絵葉書】町は軍都へ東海道線の豊橋駅が、明治21(1888)年9月に開設されたことを契機として、豊橋を中心とする交通・運輸のあり方は一変した。水運が衰えたのに対して、豊橋駅での旅客・貨物取扱量が急速に増加したため、駅を中心とするまちづくりが進むようになったのである。豊橋の代表的な産業は蚕糸業であったが、明治40年1月に株式相場の暴落から始まった戦後恐慌の嵐に巻き込まれてしまう。一方、産業基盤の脆弱性を補強し、都市繁栄の起爆剤として誘致された陸軍第15師団は、明治41年に高師村で司令部が開庁した。これにより、市内には多くの軍施設が設置され、豊橋は軍都と呼ばれるようになった。創業と戦時下の苦闘(明治期〜昭和20年)

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