豊橋鉄道100年史 1924-2024
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128河合 私はブルース・リーの「Be Water」という言葉が好きです。意味するところは「水になれ」です。電車やバスはハードですが、それらを使ったサービスは水のように形を変えられるので、時代の変化を受け入れる寛容性が大事と感じています。でも、それをネガティブに捉えるのではなく、時代の変化を予測し、あらかじめそれを受け止められるような器を準備するという、ポジティブなマインドで考えたいものです。浦部 100年後は車が空を飛んでいたり、リニアのような乗り物ができていたりと、大きく変わっているかもしれませんね。そのようななかで当社は、現代の乗り物をノスタルジックなものとして維持しながらも、新しい技術を取り込み、地域の交通を維持できる会社になっているといいと思います。赤川 私は障がいのある人でも行き先を入力すれば安全に移動でき、パイプのような中をシュンシュンと通るような乗り物をイメージしています。それを一家に1台持つのではなく、当社がたくさん持ち、貸し出すようになったらいいと思います。畠山 自動運転になっていたり、燃料電池に置き換わっていたりすると思いますが、公共交通はまちづくりのピースなので、当社の基本的な役割は今と変わっていないのではないでしょうか。河合 100年後の人たちは、特には車や電車という手段にこだわりがなく、移動できればいいと思うようになっているかもしれないですよね。森下 そういった運転しない人たちをカバーするため、グループの鉄道、路面電車、バス、タクシーをうまく活用して、Door to Doorを支えていけば、100年後には路線網がものすごく栄えている可能性がありますよね。また、そうなってほしいです。八木 私は100年後の当社で働いている人に「100年前の人は、すごいことやっていたね。きちんとやってくれていたから、今につながっているんだね」と思ってもらえるような、仕事や施策が展開できたらいいと思っています。――最後のテーマとして、荒唐無稽でも構いませんので、100年先の交通や当社は、どのようになっていると思うかをお聞かせください。100年先の豊鉄グループ――100年後、本当にそう思ってもらえるといいですよね。本日は皆さんの思いや考えを共有する、とても貴重な機会になりました。また、100年後の人たちが読んでも面白い座談会になったと思います。本日は皆さん、ありがとうございました。

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