豊橋鉄道年記念座談会100周127畠山 私自身もまだまだ自己研鑽が必要と感じているので、利己主義に陥ることを避けて、会社などの状況を俯瞰的に見て、若手の方と一緒に成長していきたいと思っています。浦部 成長に大切なのは、自分に関係のない問題でも自分の問題として受け止めることではないでしょうか。そうすることで「自分ならこうできた」「こうしなかったから問題が起きた」と考察できるようになると思うんです。また、これだけは社内で誰にも負けないといった部分をもつなど、自分に自信をもってほしいです。それがないと、提案や何か仕事を始めるときに、一歩が踏み出せない面がありますからね。八木 少しテーマからそれますが、電車やバス、タクシーの乗務員は365日24時間、盆も正月もなく働いています。そのなかで安全第一という責任を負いながら、お客様にも対応していますから、ものすごく重責だと思うんです。ですから少しでも働く環境が改善できるような体制を、より整えていく必要もあると思っています。畠山 その時々の社会情勢などに順応しつつ、それぞれの職場が変化を恐れずにチャレンジすることで、社会から必要とされる会社であり続けてほしいと思います。浦部 チャレンジは大切ですよね。今後、地域人口の減少や少子化、リモートワークや通販の普及などで、移動機会がどんどん減っていくと思うんです。逆風のなかで公共交通を維持するには、公共交通以外にも時代の流れに沿った取り組みが必要になってくると感じています。河合 時代の流れとして、私はシームレスな移動に関する取り組みを担当しています。その一環として例えば、デジタルチケットがスマートフォンで買えたりしますが、何でもデジタル化すればいいわけではありません。公共交通事業はお客様に乗車していただかないと成り立たないので、地域のニーズに合わせてこれからも利用していただける環境づくりに取り組んでいきたいと思っています。森下 利用者はさまざまで、たまにしか利用しない方や、まったく利用しない方もいます。なくなって初めて必要性に気付く方もいます。でも、なくなってからでは手遅れですし、なくなってしまうと困る方もいます。そのためには、普段利用しない方にも気軽に利用できる仕組みを構築し、まずは乗車して公共交通の利便性を認識していただき、その上で持続的な利用につなげていくことが大切だと感じています。なければいけないのは、中堅やベテランだと思うんです。若手の意見をバサッと切らず、チャレンジさせることが大事で、それが若手の自信にもつながると感じています。――人材育成と労働環境整備の両輪が大切ということですね。続いて今後の豊鉄グループに豊鉄グループの今後への期待必要な取り組みについてお聞かせください。
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