126八木 小回りが利き、地域に根ざした協力ができる鉄道会社ならではだと思います。私は電車内でプロレスができるのなら、何でもできるのではと思ったので、今後も学生さんなどの若い知恵を借りながら、ますます地域を盛り上げることに貢献できる電車であり続けたいと思っています。赤川 私は健康面でも産学連携を進めていきたいと思っています。すでに人間環境大学の教授と、バス運転手の睡眠に関する研究で協力し合っていますが、今後も産学連携を通じて豊鉄グループの健康経営を推進しながら、当社も研究などに協力していきたいと思っています。赤川 はい。認知症ケアを目的に、豊鉄バスで使っていたバス停を市内4カ所のグループホームに置いたんです。グループホームの皆さんからもご家族からも、非常に喜ばれました。また、テレビなどで放送されたことがきっかけになって、地域の方々とグループホームとの結び付きができたようです。赤川 豊鉄バスが地域に根ざして、バスを走らせてきたからだと思うんです。だからこそ本物のバス停を置くことに意味があったと感じてい河合 私は公共交通の仕事にやりがいを感じているので、従業員の皆さんも同じ思いだと嬉しいですし、もしそうでなければ、この仕事にもっと誇りをもってほしいと思っています。それには各人が「自分の心血を注ぐのに値する仕事」と納得することが大切です。地域とつながる仕事は一朝一夕にできるものではないので、その面でも関わっている仕事の価値に気付ける人材育成が大切だと思います。森下 仕事への誇りは大切ですよね。一方で一回り以上若い世代と話をしたとき、非常に参考になることが多く、新鮮な考えをもっていると感じることがあります。若手の意見を吸い上げ柔軟に対応できる風土にしていくなど、時代に合わせて考え方を変えていく必要があると思っています。あとは、やる気と意欲をもって働いている従業員が、よりスキルアップできるような支援制度も構築していきたいです。赤川 同感です。今までのやり方を続けていると成長できないと思いますから、むしろ変わら――それを受け入れた豊鉄もすごいですね(笑)。――ところで赤川さんは「バスの来ないバス停」にも関わられたんですよね。――それは素晴らしい福祉・地域貢献ですね。成功の秘訣は何だと思いますか?ます。この件では豊鉄グループの新しい社会貢献が学べたと思っています。――豊鉄グループの多様な顔が見えてきました。このあたりで視点を未来に移したいと思います。まずは未来に向けて、望ましい人材育成についてお聞かせください。未来に向けての人材育成
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