124赤川 豊鉄グループは鉄道もバスもタクシーもあるので、グループで連携すれば、ラストワンマイルの問題は解決できそうですよね。畠山 豊鉄バスは過疎地域でも走っています。渥美半島の先端や奥三河では小さいバスに転換するなど、地域と一緒になって考えていけば、ラストワンマイルを支えられると感じています。河合 100年後に自動運転も、ラストワンマイルの手段も、どうなっているか分からないですよね。ですから大事なのは、地域と一緒にまちをつくっていくことと、その結果地域の要請、例えばラストワンマイルなどが求められる状況になっても、豊鉄グループとして対応できる体制を整えておくことだと思います。浦部 私は「串と団子型のコンパクトシティ」と言われる富山市のように、路面電車や渥美線を中心に、まちが盛り上がるまちづくりを推進するのがいいと思っています。渥美線が串で、団子的な主要機能を新豊橋・南栄・高師・大清水・三河田原駅などに置く。渥美線で移動して、そこから先はタクシーやバスを使う。そういったまちづくりに関わっていくことも当社の大切河合 確かにそうですね。私は行政やまちづくりにも関わったことがあるんですが、その経験から(一社)豊橋観光コンベンション協会に当社の社員が加わることで、当社の知見や影響力が、とてもいい形でまちづくりに波及していると感じています。浦部 過去に豊橋市の観光4本柱というものを聞いたことがあり、その一つが路面電車であったと記憶しています。路面電車は単なる乗り物ではなく、ビール電車やおでんしゃ、さまざまなラッピング電車などを通じて「豊橋には路面電車がある」という観光のアピールポイントも提供してきたと思います。森下 観光といえば、私は奥三河地域のツアー化に携わったことがあります。奥三河には「花祭」という伝統芸能がありますが、これの消滅を危惧する地元の方々から、バスツアーで人を呼んでほしいといった声を聞いたので、当社でツアー造成し、お客様をお送りして喜んでいただきました。その際には地域から必要とされている企業だと認識しました。畠山 奥三河再発見ツアーを通じて、諸先輩方の時代から奥三河地域といい連携ができていますよね。森下 そうですね。奥三河には「豊鉄さんと一緒ならやりたい」と言ってくださる方がたくさんいます。また、東三河地域のいろいろな観光――話題がまちづくりとの関わりにも広がってきたので、豊鉄グループが広い意味で創出している社会的価値についてもお聞かせください。広がってきた当社の社会的価値な役割であり、存在価値でもあると感じています。
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