102豊鉄バス発足にあたり営業強化を目指し導入した876号豊鉄バスの設立センターと豊川駅前経由に変更して、買い物利用客への利便を図った。また、新城方面から豊川駅前へのアクセスが向上したほか、豊橋市内の経路変更により、西八町交差点の渋滞も回避できた。このほか、路線または一部区間の廃止、路線統合、豊橋市単独補助路線としての運行など、考えられる限りの方策を採った。なかにはレイクタウン線のように、団地内経路の見直しや、フリー乗降区間の設定によって利便性が増した路線もあった。苦境に陥っていたバス事業を立て直すため、当社は路線改善をはじめ、さまざまな増収策やコスト削減に取り組んできたが、収支改善は一向に進まなかった。平成18年度に至っては、国の補助金を受けても1億円余りの赤字となったほどである。バス事業は、さらに抜本的な改革が必須な状況であった。当社が下した結論は、バス事業の分社である。これには二つの大きな目的があった。一つはバス事業を維持し、地域沿線住民に移動手段を提供するとともに、従業員の職場を確保することである。もう一つは専業化によってスピーディーな営業体制を構築するとともに、きめ細かな営業施策の実施や旅客サービスの向上を通じて収入を増やしていくことを企図した。平成19年5月1日、資本金3,000万円で豊鉄バス㈱を設立し、同年10月1日にバス部門を分社した。分社化と同時に、乗合バス事業の再編も実施した。当社が豊鉄ミデイ㈱に運行を委託していた新城管理所の管轄路線と、自動車営業所の管轄路線を、豊鉄バス㈱に移管した。福江管理所の管轄路線については、豊鉄バス㈱が豊鉄ミデイ㈱に運行を委託、同時に名称を渥美営業所に改称した。この再編によって豊鉄バス㈱が豊橋市以北のエリアでの運行を、豊鉄ミデイ㈱が田原市の「ぐるりんバス」と、
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