豊橋鉄道100年史 1924-2024
100/202

100初めて運行した納涼ビール電車(平成4年)おでんしゃは利用者4万人を達成(令和2年2月)好評の「納涼ビール電車」「おでんしゃ」企画電車の始まりといえるのが、平成4年7月に運動公園前開業10周年記念イベントとして運行した「納涼ビール電車」である。初年度は缶ビール飲み放題制で、2日の限定運行だった。参加者の反応が非常に良かったので、年ごとに利用者が増え、今では夏の風物詩としてすっかり定着した。平成19年に利用促進と予約業務の合理化を図るため、ホームページ上に予約・空席状況を掲出したことから、利用がさらに活発化した。キャンセル待ちに対応するため、運行期間を延長した年もある。また、平成24年には、20周年特別企画として、カラオケ機器をリニューアルするなどサービス向上に努めた。平成19年、好評のビール電車に続く冬の企画電車は出来ないか模索した。このなかで考案したのが「おでんしゃ」である。走るおでん屋台をイメージし、のれんやちょうちんで飾った市内線の車内で、おでんをつまみにビールや日本酒を楽しむという企画である。企画段階では、おでんの温め方が課題となった。電車内は火気厳禁の上に、電気容量の制限があり、一般の加熱機が使えなかった。着目したのがひもを引くと生石灰と水の化学反応によって加熱できる弁当用容器である。取り寄せて試験した後に採用を決定した。平成19年11月から運行を始めたが、印象的なネーミングもあいまって、一躍人気の企画電車となった。現在では冬の定番となって、豊橋の名物と呼んでいただけるようになった。

元のページ  ../index.html#100

このブックを見る